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【レポート】 AWAY便り (6)


AWAY便り (6)


[2007年5月2日 モンテディオ山形戦前日]


 今季初の連勝を目指してサガン戦士たちは山形に到着しました。
 夕食時間に放映されるスカウティングビデオを真剣に観ながら、翌日の試合対策に余念がありません。
 今回は、前節に右サイドバックで活躍した日高拓磨選手と、豊富な経験でチームを牽引するベテラン・村主博正選手をご紹介します。


[ 〜継続がサッカーを充実させていく〜 DF29 日高拓磨選手]

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− 今季、FWからサイドバックにコンバートされましたね。
 サイドバックの選手に怪我人が多かったということもあって、シーズン始めにコンバートを勧められました。FWとしてダメだから…というより、「お前はよく走れるしスピードも速い。サイドバックとして必ず出来る」と岸野監督が自分の良いところを認めて勧めてくれたのが嬉しかった。大学時代にもサイドや中盤も経験した事があるので違和感はなく、鹿児島での二次キャンプ中、J1甲府とのテストマッチの後半から左サイドバックでプレーしました。
 京都サンガ戦の日に行った福岡大学とのトレーニングマッチは、2月に骨折して以来初めての試合そして右サイドでの実践でした。その日までに感じていた課題を克服すれば(試合に)出られるチャンスが必ず来ると思っていたので、意欲的にプレーしました。

− サイドバックとして求められているプレーとは。
 無失点で抑える事が守備の狙いなので、自分のポジションではサイドからセンタリングを上げさせない・崩させない・中に走りこませないためのディフェンスが大切です。攻撃面ではスピードとオーバーラップのタイミングですね。チャンスだと思ったら臆せずに上がって行くことが大切です。

− およそ1年ぶりの試合出場(対:東京V戦)はいかがでしたか。
 常に試合中に昂りつつも努めて冷静に…と戦ってきましたが、4月29日は今までのサッカー人生の中で一番熱くなった試合でした。
 試合2日前に行うシミュレートで、東京Vのスカウティングビデオに映るディエゴ選手とフッキ選手を観ながら、「この二人は自分のところにやたらとくるだろうなぁ」と(笑)。ディエゴは威圧感があるし、フッキはサイドに流れてきた時が怖い。でも、自分ももともと攻撃の選手なので、マッチアップした時に相手がやりたい事がわかるので、プレーの読みが出来て守備に活かせたのだと思います。
 2ゴールの1点目は自分のパスカットから攻撃が始まり、途中でも藤田のこぼれ球を狙おうとして、一旦グリさん(村主選手)に預けて、思い切り上がっていきました。
(注:インタビューの順番を待っていた村主選手が「ビデオをよく見返したら、日高が前線まで上がっていて驚いた。よく長い距離を走ったな、あの頑張りは凄い」と賞賛していました)
 緊張はしましたが、良いエネルギーになったと思います。家族も地元・広島から車で駆けつけてくれました。親父に試合を見せられて良かったです。

− 日高選手のサッカー歴を聞かせて下さい。
 父が小学校のサッカーチームの監督をしていたので、物心ついた時には既にサッカーを始めていました。小学生時代の苦労はすべて父の元で経験しました(苦笑)。
 福山でサッカーをしていた頃、当時のエスパルスユース・行徳監督の知り合いの方に勧められて、地元を離れてサッカーすることを決めました。不安だらけでしたが、ひたすら夢中にやっていました。
 そのままトップチームに昇格することは難しく、将来を考えて『進学』という道も悪くない…と考え、明治大学に進みました。大学では経済学を勉強していましたが、あんまり…(笑)。大学ではその先が『プロ』『就職』と志望がハッキリしてきますが、僕はどちらも視野に入れて活動しました。広告関係への就職活動もしたことがあるんですよ。
 今は学生時代と違って、全てをサッカーに注ぎ込む毎日です。でも、一人の人間としても成長していくことが大切だし、意識して毎日を過ごさなければ…と思っています。

− 山形戦のポイントと意気込みを。
 守備では東京V戦のように、マークに付いた選手にサッカーをさせないくらいにしつこく粘り強くプレーしたいと思います。先日はオーバーラップがあまり多くありませんでしたから、攻撃参加も積極的にしていきたいですね。得点ももちろん狙っています、どんな形で得点しても1点は1点ですから。自分のシーズンはまだ始まったばかり。継続していけば必ず充実していくと思うので、頑張ります。



[ 〜勝ちたい気持ちを常に見せる〜 MF6 村主博正選手]

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− 第1クールをどのように感じていますか。
 開幕直前のPSMなどでは良いところもありましたが、例えば試合後半になると脆かったり、1試合を通じて安定感がない・簡単にボールを奪われてしまう・アプローチが遅れる・踏ん張りが利かない…など、今も課題がたくさんあります。
 新しい選手もたくさん入ってきていろいろなものを見極めている段階で、岸野監督がやりたいサッカーと少しずれてしまったのだと思いますが、どのチームも第1クールは様子見だろうし、チーム自体もここへきて少しずつ理解も深まり始めています。これからです。

− ベテランとして求められるものも多いことでしょう。
 とにかく失点が多かったから、後ろから声を出せる選手が必要だったと思います。
 僕自身は華麗なプレーは出来ませんが、仲間を励ますためのプレー…ギリギリまで粘り、球際で強さを発揮することで、仲間に感じ取ってもらえればいいと思っています。
  『厳しさ』という点ではまだまだ物足りない。今のままではダメだから…と岸さんが設けてくれたミーティングの場なんだから、自分たちで変わっていくように何とかしなければ。
 徐々にではありますが、「ここはこうしてほしい」などとお互いにコミュニケーションができるようになってきました。自分とは一回りも違う選手や若い選手が多く、遠慮があると思うので、話しやすい状況を意識的に作るよう努力しています。
 その上で、責任感のないプレーは徹底的に怒ります。例えば練習でも、1日のうちのたった2時間を集中して全力で取り組まなかったら、90分の試合で発揮することなどできません。自分も頑張る分、周りにも妥協しません、我々はプロなんですから。

− プロとしての厳しさが必要ですね。
 時には自己中心的な部分が良い方向に働くこともありますが、サッカーのようなチームプレーには規律があるから、単なるわがままは許されません。今までにいろいろな選手を見てきて、例えば「この若い選手はどれだけ甘やかされてきたんだろう…」と思う事があります。一番好きなこと=サッカーが出来るんだから、自分の都合で「疲れたから」とサボる事なんてできないはずです。「お前ら、そんな気持ちでいいのか?」と…。

− 様々なチームの経験が活きていますね。
  高校卒業後に本田技研サッカー部に入った頃、呂比須(ワグナー)さんや長澤徹さん、青島文明さんなど、Jリーグを経験したり苦労してきた、プロ意識の高いベテランが多く在籍していました。その頃は(旧)JFLにもJリーグ入りを目指すチームが多く、目標に向けて努力を重ねている先輩たちの姿を見て、その大切さを間近でいつも感じていました。
 2003年に数ヶ月ほどパラグアイに単身行きました。それは「サッカーを諦めたくなかった」からです。大宮をクビになった後、日本には自分がプレーできるチームがなかったけれど、サッカーだけは諦めたくありませんでした。その後、サガン鳥栖に加入することが出来て、頑張っていたら認めて頂くことが出来て福岡に呼ばれた。でも、一緒にJ1に昇格することはできなかった…これも自分の実力。下のほうの順位にいることも、今の自分の実力です。

− サガン鳥栖在籍5年目。上へとチャレンジしたいという気持ちは?
 もちろんあります。サガン鳥栖しか知らない、J2しか知らない選手もたくさんいますが、上にも下にもいろいろな世界がたくさんありますよね。自分としては「試合に出たいから、一つしたのカテゴリーで…」という気持ちはありません。志の同じまたは高い人と競争することが大切だと考えています。長く続けるのも一つの形、でも自分としては精一杯やって完全燃焼していきたいです。
 だからこそ、目の前のことを大切にして、いろいろなことを取り入れて吸収していきたい。例えば、食事ひとつを考えても、良い物をバランスよく摂っていく。大好きなサッカーをして食べていかれるなんて、幸せですよね。食事すらままならない人だって、この世の中にはたくさんいるんだから、無駄には出来ません。

− 山形戦のポイントと意気込みを聞かせてください。
 今年はまだ連勝がないので、山形に勝って連勝したいです。あとは絶対に5-0なんて試合をしないこと。もう負けてはいけません。今はまだ『負けないこと』というのがチームとしてのキーワードですが、戦い抜いていけば『勝つこと』ができます。試合に負けたくなかったらまず自分に勝たなければ。
 先日の東京V戦の前に円陣を組んだ時に、「今日がプロとしての最後の試合になるかもしれない…というくらいの気持ちで戦おう」と言いました。そのくらい、真剣勝負をしなければ勝てません。試合後に「あぁ、こうすれば良かった」と後悔しないよう、言葉通りの気持ちで臨みます。
 自分は誰よりも負けん気が強いので、山形戦でも勝ちたい気持ちをプレーに表わして戦います、応援を宜しくお願いします。

                                          (取材・文  壽山知里)
2007年05月03日 更新